ゲゲゲの女房 武良 布枝 著


朝ドラで一躍有名になった、水木しげる氏の妻布枝さんの自伝だ。

水木しげるの漫画ならどこの小学校の図書室も置いてあるんじゃなかろうか。

漫画家といえば若い頃は苦労して….というのが常だが

しかし作品に漂うこの貧乏な佇まいは只者ではない、と小学生の頃の私は思っていた。

とにかく鬼太郎の背景に描かれた襖、窓枠、廊下の床板…

すべてから貧乏が漂ってくる。

この漫画家の実生活はどんなものだったのか?

奥様が明かしてくれる貧乏新婚生活は想像の斜め上をいく。

そもそも結婚する前から水木さんは貧乏していた。

当時はすでに斜陽だった貸本屋の漫画家。

しかも画風が暗いと言われてさっぱり売れない。

それを理由に原稿料も約束の半分ももらえない。

家にある物は質屋に預けては取り戻しを繰り返す日々で、

質屋の伝票は分厚い束になっている。

今時の女性は嫁ぎ先がそんな状況だったら普通実家に帰ってしまうだろう。

それでも布枝さんはしげるさんの漫画のベタ塗りを手伝い、

夫の才能を信じて頑張ってやりくりする。

ある日転機が訪れる。赤ちゃんが生まれることがわかったのだ。

ただでさえ夫婦二人でも食うや食わずの生活なのに、赤ん坊まで…

悩む水木氏に奥さんは言い放つ。

「私もあなたもそんなに若くはない。これから先また授かるかどうかわからない。産みます!」

しかし子供は蔵を持って生まれてくるとはよく言ったもので、

長女・尚子さんが生まれてしばらくののち、一家の財政は上向きになった。

めでたしめでたしとは結果良くなったから言えることで、

そのまんまの状態が続いていたら一家心中のまえに一家餓死だ。

個性的すぎる夫に輪をかけて強烈な舅と姑、イカルとイトツを始め、

水木ファミリーを束ねて家庭を切り盛りする手腕は並大抵ではない。

新婚時代の赤貧ぶりをみるにつけ、雨露凌げればなんとかなる、

この夫婦がやっていけたんなら私達だって大丈夫だと思える心強さだ。

でもこうして生きていけたのも、二人が貧乏に負けずに笑いを絶やさない人柄あってのこと。

今の収入じゃとてもじゃないが結婚できないと二の足踏む暇があったらこの本を読んでほしい。

必要なのは金じゃなくてどんな時でも二人三脚でやっていく覚悟だ。

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