火星に住むつもりかい? 伊坂幸太郎(著)


魔女狩り。それは形を変えて現代にも存在している。

そんな社会になってしまった仙台が舞台のストーリーだ。

今回ご紹介するのが伊坂幸太郎の「火星に住むつもりかい?」

伊坂幸太郎の作品には大概ゾッとするような小賢しい悪人と

それに対抗するちょっと弱気だがひたむきな良い人達がセットで出てくる。

今回もそうだ。

「安全地区」に選ばれた地域は平和警察の取り締まりのもと、

密告情報や強引な職務質問によって

「危険人物」を摘発してギロチンの刑に処する。

処刑を楽しむ大勢の一般庶民の前で…

現実に当てはめるには無理がある設定、でもないところがこの物語の一番怖い部分。

なんとな~く、流れに乗せられて~な感じでこの恐ろしい法案は

大して反発されずに可決されてしまう。

民衆も危険人物を捕まえてくれるっていうんだから止む無し、で納得したフリをする。

今の日本では一般庶民の手の届かない場所で重大な法案が可決されてたりする。

もしかしなくとも十分ありえるんじゃないか?と思わせるストーリーだ。

密告が根拠のない嫌がらせであろうと、罪のない人だとわかっていようと

只々処刑するために次々と候補者を拷問して首をはねる平和警察。

そこへ全身黒のライダースーツの「正義の味方」が

謎の武器を持って現れる。

最後の最後まで悪が倒せるかわからない。

それでも「正義の味方」に賭けてみる。

理不尽な濡れ衣を着せて犯人に仕立て上げたい警察に追われる主人公を

同じ著者が書いた「ゴールデンスランバー」と比較してみると

手に汗握る感覚は薄れるけれども、ちょっと心臓バクバクは苦手な子羊にはこっちをお薦めする。

現実には魔女裁判なんて遠い昔の出来事、と思うなかれ。

一番最後の魔女裁判が行われたのは1944年のイギリス。

バリバリ20世紀の、冷蔵庫でさえすでに存在していた時代だ。

フィクションとわかっていても、他人事とは思えなくなってくる作品である。

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