「女ノマド、一人砂漠に生きる」 常見 藤代(著)


遠い異国の暮らしとはいかなるものか気になるのが人の常である。

ましてや砂漠で一人っきりで七頭のラクダを連れて転々とする遊牧民の女性がいると聞き、

著者が会いに行ったのはホシュマン族の老婆、サイーダ。

ラクダの世話をし、食事時にはゴルス(パン)を焼き、毎日5回のお祈りを欠かさない。

誰が歩いた足跡なのか、砂の上を見れば言い当てることが出来る。

砂漠で一番危険なのは水がなくなること。

その次に毒蛇のハナシュに噛まれること。

ハナシュに噛まれたら大急ぎで医者に行けば大丈夫さと笑った後に

「間に合わなかったら?死ぬしかないね」と真顔で言う。

それでもサイーダにとって砂漠での生活は何とも代えがたい。

一方街に定住したサイーダの家族やその周りの友人達とも交流を深めた著者は

女性たちの結婚、出産、貞操観念や遊牧民同士の近所付き合いまで詳しく知ることになる。

イスラムの教えのもとに暮らす彼女たちは

結婚が決まれば「良い人じゃなかったら後で別れればいいだけ」と嫁ぎ、

夫が第二夫人を娶ると表向き平気なフリをしていても

やっぱり自分だけを見ていてほしい葛藤もあったりする。

遠い国の違う宗教の違う暮らしをする女性たち。

一見不自由に見えてしまうけれど、そのなかで「私はもうバァさんだから」と

足が悪くなって砂漠で生活出来なくなった夫を定住している家族のもとに残して

一人だけで遊牧生活を送ることも出来る。

一体自由ってなんだろう?と考える良い機会かもしれない。

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