「ジヴェルニーの食卓」 原田マハ(著)


原田マハという作家はよく絵画を題材にした小説を書く人だ。

こちらはそのなかでも比較的に読みやすい短編集なので初心者におすすめの一冊となっている。

かと言って固苦しいわけでも知識が必要なわけでもないのでリラックスして読んでほしい。

kindle版のほうでは登場する絵が一緒に掲載されているのでご安心を。

本当に誰にでもお薦めできる本というのは稀なものだが、

こちらは文句なしに万人受けする作品に仕上がっている。

あくまで画家たちを題材に書いたフィクションなので実際どうだったのかは謎だけれど、

本当にこうだったんじゃないかと思わせる美しい短編集だ。

最初に来るのはアンリ・マチスのもとで働くことになった若い女性が語る「うつくしい墓」は

光り輝く南仏の、なんとも言えない雰囲気が印象的で

マチスの晩年を囲む色彩がどれだけ巨匠にとって大切だったかを教えてくれる。

「エトワール」はバレエの踊り子たちを数多く描いたエドガー・ドガを

女流画家メアリー・カサットの視点から書いた短編。

当時の踊り子たちの過酷な運命を痛々しいほど懸命に一つの彫刻に落とし込んでいく。

彼はモデルを務める14歳の踊り子の運命を食い止めたいと言うが….

モデルの女の子のひたむきさもまた胸に迫る作品。

そして「タンギー爺さん」はポール・セザンヌについての短編で

しがない画材屋の娘がかつて売れない時期に散々滞納した絵の具の代金を

売れっ子になったあと世話になった恩も忘れたセザンヌに督促する手紙の形をとっている。

そう、タンギー爺さんとはあのゴッホの絵のモデルになった、あのタンギー爺さんのことだ。

絵の具の代金の代わりに置いていった絵が売る時に二束三文にしかならなかったと嘆くなど、

お気の毒なんだけどちょっと笑ってしまうお話。

最後のトリは題名にもなっている「ジヴェルニーの食卓」。

言わずと知れた「睡蓮」のクロード・モネを義理の娘が語る。

こちらはマチスの南仏とは対照的な、静かなノルマンディーが舞台だ。

ひとつひとつの短編が物凄く際立っているわけではないけれど

確かな読み応えが欲しいならこの一冊をお薦めする。

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