「風の中のマリア」 百田 尚樹(著)


最初の印象は奇妙な小説があったもんだ、だった。

けれどもハチが主人公のアニメだったらみなし子ハッチもミツバチマーヤもあるし…

と思って読んでみたら凄かった。

百田尚樹の「風の中のマリア」はたしかにハチが主人公の小説ではあるものの、

ハードな自然の中をタフに生きる女戦士のようなオオスズメバチの雌が主人公だ。

オオスズメバチの生態を膨大な資料を読み込んで書いたであろう迫力の一作。

巣にいるのは女王蜂も含めてすべて雌。

たった三十日の命。

外へ出てまだ幼虫である妹達のためにエサとなる昆虫を捕まえ

「肉団子」にして巣に持ち帰る役割を果たす「ワーカー」のマリア。

成人した後のオオスズメバチは肉団子を食べるわけではなく、

幼虫に甘い汁を口移しで与えてもらって生きている。

それぞれのハチが女性の名前を与えられているので

ハチであるということを忘れれば、まるで女子寮の百合っぽい展開みたいでちょっとドキドキする。

ハチ達の短い命からすれば、一日一日が途方もなく長く、濃い。

限られていると解っているからこそ懸命に突き進む姿は美しい。

マリアの女戦士っぷりは「サハラ 女外人部隊」みたいでかっこいい….

熾烈な生存競争になんとしてでも打ち勝ちたいマリア達は

あらゆる昆虫と闘い、勝利する…と表現するにはあまりにも重い内容だけれど

虫が主人公の小説でここまで書けるのは本当にすごいと思う。

虫が苦手な人もチャレンジしてほしい一冊だ。

風の中のマリア (講談社文庫)

新品価格
¥605から
(2017/2/11 18:36時点)

>【送料無料】 風の中のマリア / 百田尚樹 ヒャクタナオキ 【本】

価格:1,620円
(2017/2/11 18:38時点)
感想(0件)

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村


小説(読書感想) ブログランキングへ