「殺人者の健康法」アメリー・ノートン(著)


アメリー・ノートンがこの作品で衝撃のデビューを飾ったのは1992年のこと。

当時は相当マスコミが騒ぎ立ててゴーストライター説まで飛び出したが

それほどまでにセンセーションを巻き起こしたのは

やはりこれだけアクの強くて面白い作家が世に出ること自体

当時のフランス語圏の文学界では久方ぶりだったということだ。

それ以降、彼女は毎年欠かさず新作を出している。

難解で誰も読破していないような小説ばかり出してきた文豪が世にも珍しい病に罹り、

余命わずかになったと聞きつけた記者たちが最後のインタビューを得ようと

突撃訪問をするものの、相手は想像を絶する偏屈な変態ジジイ。

精神的に痛めつけられて次々と脱落していく中、一人の若い女性記者が颯爽と現れる。

驚いたことに老作家の作品をすべて読み通したと言う。

読み通したどころか文豪の過去に犯した罪までつきとめて…

肥満のせいで車椅子に乗らざるをえない偏屈ジジイと

若い新聞記者の狡猾なやりとりが一番の魅力だ。

最初高飛車だった老人がだんだんと追いつめられていく過程がまるで悪夢のよう…

それがアメリー・ノートンの持ち味なのだが、何故もっと日本で翻訳されないかというと

本人曰く日本に就職した時の体験談をもとに書いた「恐れ慄いて」が日本で逆鱗に触れたからだとか。

「恐れ慄いて」を読むとそりゃそうなるよなとは思うがその後いくつか出版されたもよう。

でも出来れば「午後四時の男」よりも”Peplum”を翻訳してくれたほうが面白いのにとちょっと残念に思う。

アメリー・ノートンは外交官の父の仕事柄、神戸で生まれてずっと日本には愛着を持っている。

その幼少期の思い出については「チューブな形而上学」で書いているので今度ここで紹介したい。
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