楠田 枝里子 (著)

ナスカの地上絵は誰もが知っている。

けれどそれが発見されたのは近代になってからだというのはあまり認知されていない。

航空技術が発達して初めて上空から発見されたものなのだ。

それくらいうっすらと儚い遺跡なのでちゃんと保護しないとあっさり消えてしまう。

このナスカの地上絵を研究し、守り続けた女性マリア・ライへを

あの楠田枝里子が取材したドキュメンタリーになっている。

戦前生まれのドイツ人女性が遥か彼方の南米の土地で一人、砂漠に住み研究に没頭する。

なんともハードボイルドな生き方だろうか….

ドレスデン育ちの彼女は最初家庭教師として1932年、南米ペルーに来た。

マリア曰く、当時のドイツはナチスが勢力を伸ばしていたし

1929年の不況のあおりを受けた時代で仕事がなかったからとにかくドイツを離れたかったと。

とても教育熱心だった両親のもとで幼い頃から勉学に励み、

ひたすら研究を続ける事のみに集中できる生活を選んだマリアはさながら賢者のようだ。

ナスカの地上絵は誰が何時、なんのために描いたのか見当もつかない時代から

手探りで研究しつつも吹けば飛ぶような遺跡をなんとか観光客の群れから守る。

独身を通した彼女も実はその昔結婚話があったそうだが

結婚したら最後、家庭に縛り付ける夫を持つことを良しとはしなかった。

当時を考えるとさもありなんとも思えるが、果たして現代だったら違ったと言えるかどうか…

遠い祖国は自分とは関係のない国になってしまい、

異国の地で一人きりと思いきや、妹もまた彼女とともに生活しているし

彼女の右腕として生活を支えている。

もう少しナスカの地上絵についての話が多いと嬉しいのだが

そんなにページ数は多くないので

ここはひとつ、マリア・ライへの伝記ということで

もっと詳しく知りたい方は他にも探してみてはいかがだろうか。
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