五匹の子豚 アガサ・クリスティー(著)


アガサ・クリスティの推理小説にはいくつかのシリーズがあり

有名なのはエルキュール・ポアロもの、ミス・マープルもの、トミー&タペンスものがある。

こちらはポアロが活躍する一冊だ。

ポアロのもとに子供の頃に起きた殺人の真相を解き明かしてくれと若い女性が訪ねてくる。

自分は両親が亡きあと親戚に育てられたのだが、

成人する時に明かされた母が父を殺し、獄中で死亡したという話にどうしても納得がいかないと言う。

母・カロリンは画家の夫アミアスの女癖の悪さに頭を悩ませていた。

アミアスのモデルとの浮気癖はいつものこと。

でも今回はあきらかに様子が違う。

モデルになった年若き令嬢エルサは家族の団欒に居座り、

アミアスはカロリンと別れていずれ自分と結婚するのだと言って憚らない。

夫婦の間には喧嘩が絶えず、一触即発の事態に。

険悪ムードのなか、カロリンが持ってきたビールを飲んだあとアミアスは死んでしまう。

日頃アミアスを殺してやると言っていたカロリンは

昔幼い妹にカッとなって文鎮を投げつけて一生残る傷を負わせたこともあって

結局疑いは晴れぬまま、夫殺しの罪で有罪判決を受け一年後に獄死。

ポアロは当時の関係者一人一人を訪ね、当時のことを聞き出し

「灰色の能細胞」を働かせて真相に迫る。

今回もアガサ・クリスティが好んで使ったマザー・グースの「五匹の子豚」がモチーフになっている。

探偵役のポアロのキャラクターは晩年になるにつれ尊大で鼻につく人物像に変わっていくが

この作品ではまだそういった傾向はないし、

作品としてとても良くまとまっていて、ポアロものの王道をいく一冊だ。

アガサ・クリスティが初めての人もきっと満足頂けると思う。

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