大学に入ってフランス語を選択する学生は今も多かろう。

そして同じく似たような感想を持つだろう。

「何故、決まって「星の王子さま」をやらなきゃいけないの?」と。

理由は知らないがフランス語を学ぶ時に避けて通れない「星の王子さま」….

どちらかというと哲学めいていてフランス語の第一歩には向かないと思う。

「星の王子さま」なんて飽き飽きした!という方にはこちらをお薦めする。

フランスの学校でも皆中学一年生になると絶対に授業で取り上げる一冊だ。

それに南仏に住んでいた私としても、もっともっと皆さんにプロヴァンスを知ってもらいたい。

プロヴァンスの暑い空の下、度重なる山火事で真っ黒な幹のオリーブ、

コルク樫やパラソル松と呼ばれる赤松。

ラベンダー畑の合間にひなげしが咲き、蝉の鳴き声が聞こえ

きらきらと光る岩の無効に見える海はエーゲ海に引けを取らない青さ。

そんな場所で繰り広げられるお話もそれとなく童話っぽい。

有名どころで言えば「スガンさんのヤギ」の狼がいると知らされていながらも

どうしても広々とした山に行きたくて逃げ出した結果、狼に遭遇してしまうヤギの話と

長年苛めていたロバに蹴られて飛んでいく法王の下男の「法王のロバ」や

舞台化されたことで有名な「アルルの女」だろうか。

プロヴァンスだけでなくコルシカ島やアルジェリアでの話もあるが

どことなく荒々しさに満ちた暗い雰囲気であまり人気はない。

学校の授業でも割愛されることが多いようだ。

他にもマルセル・エーメの「猫が耳のうしろをなでるとき」も

農牧的なフランスの農家の姉妹のお話なのだが、いささか姉妹の親達が異様に意地悪な事以外

子供向けのフランス文学としては初歩的な一冊なので是非そちらもチェックして頂きたい。

風車小屋だより

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