バカンスというのは本来「空白」「空いている」を意味するフランス語から来ているのであって、

ぶらぶらと何もしないのがバカンスなのである。

家族連れでキャンピングカーで出発し、現地では日焼けと海水浴と散歩ぐらいしかしない。

観光の予定すら入れないのが王道スタイル。

今回はあくせくしないで本を片手に木陰やパラソルの下で寝っころがるための特集を組んでみた。

「きつねのはなし」森見登美彦

夏といったら背筋がひんやりするストーリーが外せない。

かといってあまりグロいのはちょっと….っという方にはこれ。

普段とはガラッと雰囲気の違う美しい和の世界はさすが森見登美彦。

きつねのはなし (新潮文庫)

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「恐山 死者のいる場所」南直哉

お盆の時期、残された者たちの心の拠り所としての恐山について考えてみる良い機会かもしれない。

以外にも管理している住職代理の著者は幽霊や怪奇現象を恐山で見たことはないと言う。

結論で言えば、一番怖いのは生きている人間達のほうなのだ。

恐山: 死者のいる場所 (新潮新書)

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「上と外」恩田陸

物語の舞台は南米グアテマラ、後半はその奥地のジャングルである。

親に連れられてグアテマラへとやってきた中学生の練と小学生の千華子の兄妹は

クーデターに巻き込まれて避難中、ヘリコプターからジャングルへ転落!

夏には暑い熱帯雨林で繰り広げられる手に汗握るストーリーは如何だろうか。

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「シャングリ・ラ」池上永一

冒険活劇ものとくればスケールのデカいこちらの一冊。

地球温暖化が進み、東京はアトラスという巨塔以外は森林化された近未来。

自分達の生存を賭けて地上のレジスタンスを率いる少女・國子は

特権階級しか住めないアトラスに挑む。

ちょっとお馬鹿で下品なノリが持ち味の池上永一の作品の中では一番中身が濃い作品だ。

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「コン・ティキ号探検記」トール・ヘイエルタール

夏は海!冒険!という御方にはこちらは如何だろうか?

一昔前の世代なら皆子供の頃に読んだはずの一冊だ。

戦後間もない頃に当時としては大胆な仮説を立てて筏で古代の航路を再現しようとしたノンフィクション。

通信手段は無線ラジオのみ….

サメを恐れ、ウミガメを追いかけ、トビウオをフライにする。

筏の劣化を心配し、喉の渇きに苦しみ、目的地を目指す姿は刺激的だ。

コン・ティキ号探検記 (河出文庫)

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「江戸時代のロビンソン」岩尾龍太郎

その昔、航海技術の未熟さゆえに漂流を余儀なくされた先人たちに思いを馳せてみるのもいいだろう。

当時の平底の舟は内海の海岸沿いを伝っていくのには良くても

外海では流されやすい欠点があったのだ。

無人島にたどり着き、何年もサバイバルした末に助け出されても

結果は外部の情報を漏らさぬよう、幽閉に近い生活だったのは不憫このうえない。

しかし、一人で海を見据えながら読むと心細さに苛まれるので注意。

江戸時代のロビンソン―七つの漂流譚

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「25時のバカンス」市川春子

ここで漫画をひとつ。

影とハイライトの付け方がとにかくかっこいいので一度手に取ってもらいたい。

シンプルな絵柄に落ち着いたストーリーがとてもマッチしている。

単純明快な話しか受け付けない人には向かないかもしれないけれど、

高野文子が好きな人にはツボにハマるだろう。

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「わたしのマトカ」片桐はいり

女優の片桐はいりさんが群ようこ原作の映画「かもめ食堂」の撮影でフィンランドを訪れた時のエッセイ。

夏場の過ごしやすいフィンランドの撮影の合間に

シャイなフィンランド人との交流や本格的なサウナに入った話など

さすが面白さでは評判の女優さんなだけあってクスリと笑える。

わたしのマトカ (幻冬舎文庫)

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「ねたあとに」長嶋有

海とくれば今度は山も紹介せねばなるまい。

夏場の山奥で登場人物達が暇を持て余してひたすら自作のゲームに熱中する。

これがまたお手軽に真似できて面白そうなのだ。

いつまでもグダグダと起きて仲間内で楽しくやりたい気持ちは誰にでも共感できるだろう。

ねたあとに (朝日文庫)

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「麦酒の家の冒険」西澤保彦

西澤保彦のタック&タカチシリーズの一作だがこの一冊だけ読んでも支障はない。

推理が得意な北海道の大学生四人組が牧場へ出かけた帰りに道に迷い、

辿り着いた別荘らしき建物に避難するが、そこにはベッドが一つと冷蔵庫に大量のビールのみ….

どうしてまたこんな一軒家があるのだろうか?

それを主人公達はそこにあったビールを飲みながら推理していく。

麦酒の家の冒険 (講談社文庫)

「白昼の悪魔」アガサ・クリスティ

アガサ・クリスティの推理小説の中で夏に似合う一冊ではこちらをお薦めする。

場所は地中海の避暑地の島。

元女優を殺した犯人はこのリゾート地にいる者に違いないのだが

各自鉄壁のアリバイがあり、それに挑むはエルキュール・ポアロともくれば面白いことこの上なしだ。

白昼の悪魔 (クリスティー文庫)

「老検死官シリ先生がゆく」コリン・コッタリル

夏、ということで茹だるような暑さの国のお話なんかも如何だろうか。

こちらは40年ほど前のラオスを舞台にしたミステリーで、

出だしから被害者が空を飛んでいく臨終のシーンから始まるので

なかなか話が盛り上がらなくて読み進められずに挫折する心配はない。

社会主義国家で検死官をやるには設備も道具も無い無いづくしの悲喜交々がついてまわる。

かなり異色のミステリー小説だ。

老検死官シリ先生がゆく (ヴィレッジブックス)

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「ハバナ奇譚」ダイナ・チャヴィアノ

暑い季節には南米文学が良く似合う。

南米と言えばお伽噺と現実がないまぜになった陽気で怪しげな雰囲気が特徴。

中国、ヨーロッパ、アフリカからキューバへ

徐々に互いの運命を絡ませながら辿り着いた家族達は

必ずしも安定と自由を得られたとは言えず…

ハバナ奇譚

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