「神去なあなあ日常」 三浦しをん(著)
三浦しをんは特殊な仕事に精一杯打ち込んでいる主人公を
書いているときが一番生き生きしている作家さんだ。
この著者のお仕事小説としては他にも「仏果を得ず」や「舟を編む」などがあるけれど
読書初心者にお薦めするのがこちらの「神去なあなあ日常」だ。
高校卒業が迫ったある日、
将来のことなどボンヤリとしか考えてなかった主人公・平野勇気は
いきなり担任と親が勝手にに決めてきた就職先へと送り込まれる。
なんの説明もないまま辿り着いたのは三重県の山奥、神去村。
携帯の電波も届かない田舎で始めることになったのは……林業。
個性の強い人達に囲まれて、慣れない田舎の風習に戸惑い、
山の仕事に打込んでいく….青春コメディのなかでも群を抜く一冊だろう。
とにかく物語は18歳の何も知らない若者の視点で書かれていて
読みやすいうえにしっかり取材されているのがわかる力作だ。
でもそんな苦労をおくびにも出さずに出だしからずっと笑わせてくれる。
バランスの良い作品だし、小説がどうにも読み通せないと思っている人でも
すんなり入れる面白さはさすが、三浦しをん。
もちろんどんな層の読者でも楽しめる小説なので、
もし気に入ったなら続編の「神去なあなあ夜話」も併せてどうぞ。
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