「たまゆら」神蔵美子(著)
ちょっと古い写真集なのだが最近、再出版され書店の店頭に並んだので
オッと思って今回載せてみることにする。
神蔵美子の「たまゆら」は結構な御年令の著名人に
ガチで女装を施した、写真集の中では異彩を放つ一冊だ。
以前からこの写真集の存在を聞き、
国立国会図書館に行ってまで確認しに行ったほど気になったくらいだ。
とにかくどうしたんですか貴方!と言いたくもなる
一見お堅いイメージの方々ががっつり厚化粧してやる女装が
お手伝いさん、女子高生、OL、芸者、愛人、チアガール…..
赤塚不二夫はいい。
想定内だし、事務のおばさんのコスプレは自然過ぎてスルーしそうになる。
でもお坊さん四人衆が死んだ男の墓参りに集う未亡人、愛人、秘書などに扮するって。
しかも全員どっかにいそうなおばさんになってて、
なおかつちょっと男がイメージする雑な女っぽさが出てるのがシュールだ。
撮影後、モデルになった当人たちのインタビューにも同じくらい釘づけだ。
それにしても、いい歳した作家やらミュージシャンやらジャーナリストのオジサンが
脚の無駄毛を剃り、パンティストッキングを穿いて
撮り終えたあとの感想を聞いたらば
「俺の方がそこら辺の女よりもイケる」
「やっぱりもうちょっとダイエットしといたほうがもっと可愛く撮れたかも….残念!」
「お袋にそっくりになってびっくり」
ノリノリじゃないか….
しかもちょっと女性に対抗心燃やしてないか?
やっぱ痩せて可愛くなりた~いって
若い女の子と言ってること大差ないのが笑えるんだか笑えないんだか。
しれっと写真家の神蔵美子の実父までが出演しているのも見逃せない。
良い子には見せられない写真集である。

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