「アンナ・カレーニナ」トルストイ(著)
「アンナ・カレーニナ」を読んだのは高校生の時で
フランス語で読んだので今回のレビューの際の再読は断念した。申し訳ない。
とにかく印象に残っているところから話すと
これは呆れるほど長い不倫小説だ。
トルストイなので長くなるのはしょうがない。
誰かが言っていたが、モテない作家ほど小説が長く、モテる作家ほど短編が上手い。
モーパッサンの写真を見るとなるほどモテるだろう御顔立ち。
今回はモテないほうのトルストイが書いた小説なので当然長い。
それでも切り口を変えてみれば面白く読めるのもロシア文学の醍醐味だ。
そこでアンナ・カレーニナだ。
普通の良妻賢母だったのが不倫の恋に落ち、それがまたイヤ~な女になるのである。
アンナはかっこいいヴロンスキーという男に惚れてしまい、
仕事一筋の夫、カレーニンと息子がいるにも関わらず、
ヴロンスキーとの間に娘を産むのだが
離婚していないので表向きカレーニンの娘ということになる。
カレーニンは最初でこそアンナが産褥で死んでしまったら丸く収まるのにと思ったりもするが
不倫の末に生まれた罪のない娘に対して愛情を持って接する。
なのにアンナはこれが不服。なに贅沢言ってんだか。
そしてついにカレーニンとは別居してヴロンスキーと娘と住むが、
言われぬ寂しさに押しつぶされそうになって帰って来た時、
残してきた息子ではなく、娘だけがいることに「違う!私が欲しいのはセリョージャ(息子)なの!」と….
結局何がしたいんだかはっきりしない女なのだ。
これは現代で聞く話とほとんど同じようなシチュエーション…
妻の不倫に苦しむ夫、不倫に溺れてしまうが子供は手放したくない妻、無責任な間男の3点セット。
これだけだとちょっと読み進めるのが苦しい感じもするが、
この不倫カップルに相対するようにキティとリョービンのぎこちなくも真っ直ぐな愛が華を添えてくれる。
まぁ、とにかく不倫は誰も幸せにしないということを千ページかけて説いた小説なので、
イラッとくる不倫の相談を持ちかけられた際にはこれでも読んでスカッとするのも良いかもしれない。
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