日本人は流行を追うのが大好きだ、と聞いて頷かない人でも
日本人は食べ物の流行を追うのが大好きだと言ったら納得するだろう。
江戸時代からグルメガイドや料理本が庶民の間でバカ売れし、
フードファイトも行われていたというのだから今に始まった事ではない。
今でもテレビを付ければ料理番組などで誰かが食べている映像が目に入らない日はなく、
某番組で体に良いと聞けば納豆や寒天が店頭から消える。
そんな無節操さ、嫌いじゃないです。
良く言えばバイタリティーに溢れている。
本書は日本で流行ったあれやこれやの食べ物・飲み物を
流行の道具という位置づけで追っていく、誰が読んでも懐かしいこと請け合いの一冊だ。
それにしてもまあぁぁー出るわ出るわ、明治時代の牛鍋から
大阪万博のピロシキ、あさま山荘事件で一躍有名になったカップラーメン
バブル時代のイタめし、ティラミス、エスニック料理、パンナコッタ….
弾けたあとはもつ鍋やB級がもてはやされる。
それにしても怪しげなものも盛りだくさん載っているなかで見つけた「紅茶キノコ」
一気に人気が出たと思ったら数か月で廃れた植物とも動物ともつかない粘菌、らしい。
それを紅茶の液につけておくと勝手に増殖する….
ハガキで応募すればその種菌が送られてくるという。
あなただったら試してみる勇気はありますか?(私は遠慮する)
変なものから懐かしいものまで当時の雑誌の掲載を追う形で網羅している。
お若い方はこの本を片手にご両親に当時の話を聞いてみると話が盛り上がりそうだ。
それにしても皆食べ物の流行り廃りに踊らされ過ぎてて本当に可笑しい。
これはこれで良いのかもしれない、楽しければ。
食の歴史は人間の歴史なのだから。
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